- 公開日 : 2023年12月21日
- 更新日 : 2024年1月22日
プロパンガスの契約方法や変更手順を解説!新居に引っ越しをした場合
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引っ越し先がプロパンガスを使用している物件だった場合には、どのような対応をすると良いのでしょうか? プロパンガスの契約方法は、引っ越し先の物件によって手順が異なります。引っ越し後はすぐに快適な暮らしがスタートできるよう、スムーズにガスの契約手続きを終えられると良いですよね。
この記事では、戸建てに引っ越した場合や、賃貸・中古物件に引っ越した場合など、ケース別に契約の際の注意点や流れについて解説します。
プロパンガスの契約の手順
引っ越し先がプロパンガスを使用する物件の場合、まず契約するプロパンガス会社を探す必要があります。ガス料金は会社によって異なります。利用者はガス会社を自由に選択できるので、数あるガス会社の中から自分の生活に合った料金プランを選べると良いですよね。
しかし、ケースによってはガス会社の変更そのものができない可能性もあるので事前に確認が必要でしょう。
プロパンガスの契約手順は、引っ越し先の物件のタイプによって異なります。引っ越し後、新しい生活をスムーズに始めるためにも、プロパンガスの契約手順をおさえておきましょう。ここからは、物件別に契約のタイミングや連絡のしかたなどを紹介します。
新築戸建てに引っ越した場合
新築戸建てに引っ越してプロパンガスを契約する場合、自分でガス会社を選択できます。そうは言っても、数あるプロパンガス会社の中からどのように決めれば良いのか悩んでしまいますよね。
実は新築戸建てに引っ越す場合、家を建てた建築会社や工務店などがプロパンガス会社と既に契約をしているケースがほとんどです。それぞれの会社で、つながりがあるガス会社と契約して初期工事を進めているため、ガス会社を探して契約する手間はありません。
しかし、持ち家の場合は自分でガス会社を選択することも可能です。
ガス会社の契約を建築会社や工務店任せにしていると、自分のライフスタイルには合わないガス会社のプランで高いガス料金を支払うことになる恐れもあります。ガス会社を自分で選びたいのなら、手順としては新築戸建ての施工が始まる前に連絡する必要があります。
賃貸物件・集合住宅に引っ越した場合
プロパンガスを使用している賃貸物件・集合住宅に引っ越した場合、ガス会社は選択できません。なぜなら、大家さんや管理会社とプロパンガスを供給するガス会社が提携しているケースが多いからです。
そのため、ガス料金の負担が大きくなってしまう場合もあるでしょう。ガス会社の立場になると、入居者が契約を変更する心配もないため、同業他社の価格競争がなくガス料金を高く設定できるのです。
プロパンガスを使用している賃貸物件や集合住宅に引っ越したら、基本的にはガス会社の変更はできないと理解しておくと入居後に後悔することはありません。2021年6月に経済産業省がプロパンガスの販売事業者の団体に、国土交通省が不動産関係団体に協力を求め、不動産仲介業者を通して入居前にガス料金を明示することを指示しています。
賃貸物件は入居前にガス料金を知る権利がありますので、事前にどれくらいかかるのか確認しておくと安心ですね。
中古戸建てに引っ越した場合
中古戸建てに引っ越した場合、以前の居住者が利用していたプロパンガス会社を必ずしも継続しなければならないという決まりはないので、自分の使いたい会社を自由に選択できます。
そのため、まずは以前の居住者が利用していたプロパンガス会社との契約を確認することから始めましょう。なぜなら「無償貸与契約」をしている場合は、ガス会社を自分で選択するのが難しいからです。
「無償貸与契約」とは、プロパンガスの契約時に給湯器や配管設備など一般に10〜15年間程度、ガス価格が割高になっている可能性のある契約のことです。
つまり、給湯器などは以前の居住者が利用していたガス会社からの「借り物」になります。契約期間が残っているにもかかわらず、勝手にガス会社を切り替えてしまうとトラブルに発展する恐れがあるため注意しましょう。
新築戸建てでプロパンガスを契約する際の注意点
ここでは、新築戸建てに引っ越してプロパンガスを契約する際のいくつかの注意したい2つのポイントについて解説します。
- 配管工事が行われているか
- 切り替え先のガス会社のサービス内容
配管工事が行われているか
まずは、配管工事が行われているかどうかについて確認しましょう。建築会社で付き合いがあるガス会社が配管工事を完了していた場合、ほかのガス会社に変更すると工事費を請求される可能性があります。
多くのプロパンガス会社は、配管工事の費用をガス代に上乗せしています。変更する場合は、変更するガス会社にも工事費を支払うことになるので十分な注意が必要です。
切り替え先のガス会社のサービス内容
また、プロパンガス会社を自分で選んで契約するときは、複数のガス会社の料金の比較やサポート体制を確認することが重要です。
ガス料金についてはインターネットで情報を収集したり、公共の相談窓口を利用したりするのがおすすめです。口コミや評判、契約条件などを確認し、信頼性のあるガス会社を選びましょう。
サポート体制についても確認しておく必要があります。お風呂やキッチンでガスは毎日使用するため、トラブルが発生したときに迅速な対応をしてもらえるかの確認は必須です。契約内容の検討は手間のかかる作業ですが、悪質なプロパンガス会社と契約してしまうとガス料金の不透明な値上げなどのトラブルに巻き込まれるケースもあるため、しっかりと確認しましょう。
その他プロパンガスを契約するときの注意点
プロパンガス会社と契約するときに作成される契約書は、プロパンガス会社に有利な条項が記載されているケースがあります。
ガス会社が自由にガス料金を改定できるような契約になっていないか、解約するときの違約金が相場より高額でないかなど、契約する前にしっかりチェックしましょう。
ここでは、プロパンガスの料金設定や違約金などについて解説します。
料金設定について
プロパンガスは、自由料金制のためガス会社によって料金は異なります。基本料金や使用量に応じて発生する従量料金、値上げについてもガス会社が独自に決めて販売しています。また、プロパンガスの原料は輸入しているため、輸入価格や為替レートによって料金が大きく変わる可能性もあります。
ガス料金は会社によって差があるだけではなく、計算方法にも違いがあります。ガス料金を正確に把握するためには、どの計算方法を採用して料金を算出しているかの知識が必要です。
計算方法は以下の3種類があります。
種類 | 計算方法 |
二部料金制 | ガス料金=基本料金+従量料金 |
三部料金制 | ガス料金=基本料金+従量料金+設備使用料等 |
最低責任使用料金制 | ある一定使用量までは固定、一定使用量を超えた分から従量料金が発生 |
ほとんどのプロパンガス会社は二部料金制を採用しています。設備使用料等は、二部料金制では基本料金に含まれています。
以下の記事で料金の計算方法を詳しく解説しています。検針票の見分け方も解説しているので、ご家庭のガス料金の計算方法が気になる方はこちらもチェックしてみてください。
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契約期間内の解約は違約金が発生する場合も
プロパンガスを解約するときは、手数料のほかに違約金がかかる場合があります。
手数料とは、主にプロパンガス設備の撤去費用です。通常、ガスボンベやガスメーターなどはガス会社が所有者になるので、利用者が撤去費用を支払う義務はありません。
しかし、契約書に記載されていた場合は支払う必要があります。
違約金とは「無償貸与契約」している場合の残存金のことです。
プロパンガス契約時に、10〜15年間の縛りで給湯器などの設備を無償貸与としていた場合は、残っている期間の金額を違約金として支払います。
ガス会社によっては無償貸与期間を長期間にしている場合もあるので、契約するときに貸与期間が正当であるかどうか確認が必要です。
ガス会社は、無償貸与期間を長く設定して、利用者によるガス会社の変更を阻止する対策をしているケースがあります。解約時のトラブルを回避するためにも、プロパンガスを契約する際は、契約書の内容を確認してください。
保証金が必要となる場合がある
特に賃貸の場合、プロパンガスを契約するとき、ガス会社に保証金を預けるケースがあります。
「プロパンガスに保証金なんているの?」と疑問に思いますよね。保証金は、ガス会社による入居者のガス料金未払いリスクへの対策です。
利用者がガス料金を滞納したまま引っ越した場合は回収ができなくなる可能性がありますが、保証金を設けることでこのようなトラブルをガス会社が回避できます。
保証金は、通常は使用料金の2、3ヶ月分に相当する金額を設定する場合が多いでしょう。
保証金を支払った場合は必ず「預かり証」を発行してもらうのを忘れないようにしてください。ガス会社に預けるお金なので、入居していた時の最後のガス料金を差し引いて(精算して)返金されるケースもあるようです。
保証金の支払いは、法律で決まった制度ではありません。金額もガス会社によって異なります。一戸建てや持ち家でプロパンガスを契約するときは、保証金を支払う必要がないケースもあります。
新しく契約する前に以前のガス会社へ連絡
引っ越して新しくガス会社と契約する前に、現在利用しているガス会社へ連絡してガスの使用停止手続きをしましょう。
ガスを止める作業に立ち会いが必要な場合は、手続きの予約が必要です。引っ越しする1週間くらい前のタイミングでガス会社に連絡すると良いでしょう。
引っ越しが多い3〜4月は、ガス停止の手続きの予約が取れない場合もあるので気をつけてくださいね。引っ越し先でも同じガス会社を引き続き利用する場合は、ガスの使用開始手続きがスムーズです。
プロパンガス会社の選び方
プロパンガス会社を選ぶときの基準は「料金が安い」「サポートが充実している」など、家庭によってさまざまです。中には、数あるプロパンガス会社から、どうやって選ぶと良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。
プロパンガス会社を選ぶときに注目しておくべき点は「料金面」「安全面」「サポート面」です。ガス料金は自由制のため、相場より高額なガス料金を設定している会社もあります。
ここでは、優良なプロパンガス会社の選び方について解説します。悪質なプロパンガス会社と契約してトラブルに巻き込まれないように、ポイントを押さえて選んでください。
料金体系や説明が明確か
まず、検討しているプロパンガス会社の料金が、相場より高くないか確認する必要があります。ガス料金の相場については、インターネットで情報を収集したり、公共の相談窓口に問い合わせたりして確認できます。不当に高額な料金を提示する会社は、契約を検討する必要があります。
安全面は万全か
安全面も信頼のおけるガス会社を見極めることが大切です。
プロパンガスは、危険物にあたり保安に関する法律が定められています。プロパンガスの設備を4年に1回、安全のために点検や調査をすることなどが義務付けられています。
利用者が点検や調査を拒否した場合はガスを止められる場合もあるので必ず受けるようにしましょう。保安ルールが守られているかは、経済産業省が発行している「保安業務ガイド」を参考にしてください。
ガスを安全に使用するための仕組みとして、ガス漏れなどのトラブルが発生した際、自動的にガス会社に連絡される「集中監視システム」があります。集中監視システムの導入は、安全性の面から行政も導入を進めていますが、すべてのガス会社が導入しているわけではありません。
安全面を考慮する場合は、集中監視システムを導入しているかどうかも判断基準にすると良いでしょう。
※参考:保安業務ガイド | 経済産業省
サポート体制が整っているか
同じプロパンガスを扱う会社でも、サポート体制やサービス内容は異なります。特にガス設備に急なトラブルが生じた場合の、サポート体制がしっかりと整っているかどうかはチェックしておくと安心です。
24時間相談受付している会社や、ガス機器以外のトラブルのサポートも設けている会社もあります。相談窓口が設けられているか、緊急時に迅速な対応をする体制が整っているかなど大切なポイントです。
不安がある場合は公共の相談窓口に相談
プロパンガス会社との契約でよくあるトラブルに「無償貸与契約」があります。無償貸与する代わりに長期契約が条件になったり、ガス料金を高く設定したりする場合があるので注意が必要です。契約をする際のトラブル等で相談したい場合は、以下の相談窓口を利用することをおすすめします。
Webサイト | 電話番号 |
電力・ガス取引監視等委員会 | 03-3501-5727 |
まとめ
この記事では、新築戸建てに引っ越しする際のプロパンガス契約についての注意点や、賃貸、中古戸建てに引っ越しする際の契約の流れや注意点について解説しました。
引越しのケースによって手順やタイミングが異なるため、しっかりと確認してから進めましょう。また、優良なプロパンガス会社選びのポイントをおさえて納得できる契約で、新居生活を気持ちよくスタートさせましょう。