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ガス知識
  • 公開日 : 2023年12月21日
  • 更新日 : 2024年1月22日

プロパンガスと都市ガスの違いを徹底解説!節約するならどっち?

  • #メリット・デメリット
  • #計算方法
  • #都市ガス
ガスコンロと鍋の画像

家計の見直しや引っ越しのタイミングで、ガス契約の見直しをしたいと考える方は多いのではないでしょうか。ガスにはプロパンガスと都市ガスがあり、それぞれ特徴や料金に違いがあります。
この記事では、プロパンガスと都市ガスのそれぞれの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。これから切り替えや変更を検討している方はぜひ参考にしてください。

プロパンガスと都市ガスの違いを詳しく解説

ガスコンロとガス栓の画像

全国の家庭で使用されているガスのほとんどは、プロパンガスか都市ガスです。プロパンガスと都市ガスでは、成分の違いや供給方法、料金に大きな違いがあります。ここでは、プロパンガスと都市ガスの3つの違いを具体的に解説します。

成分供給方法料金
プロパンガス 液化石油ガス(LPG)ガスボンベの配置以前から自由料金制
都市ガス液化天然ガス(LNG)ガス管を通じて供給 2017年4月に市場自由化

成分の違い

プロパンガスの原料は、プロパン・ブタンが主成分の液化石油ガス(LPG)です。液化石油ガス(LPG)は、以前はUAEやサウジアラビアからの輸入が多くの割合を占めていました。現在は、アメリカで採掘できるシェールガスの輸入が大半を占めています。プロパンガスは空気より重く、ガス漏れした場合は足元に溜まります。そのため、ガス漏れ警報器は床に近い位置に取り付けます。

一方、都市ガスはメタンが主成分の液化天然ガスです。日本で使用される液化天然ガス(LNG)は、オーストラリアからの輸入が大半です。都市ガスは空気より軽く、ガス漏れした場合は天井に溜まります。そのため、ガス漏れ警報器はキッチンの上部などに取り付けます。

供給方法の違い

プロパンガスと都市ガスの違いで思い浮かぶのは、ガスボンベの有無ではないでしょうか。プロパンガスは、ガス会社がガスが入ったボンベを各家庭の軒先に配送・設置します。定期的にボンベの交換が必要なものの、都市ガス導管のない人口の少ない地方の市町村まで全国各地に供給が可能です。

一方、都市ガスは、地下のガス管を通じて各家庭に供給されます。ガス管を設置するためには莫大な工事費用がかかり、人口が多い地域でないと費用を回収できません。そのため「都市ガス」という名前のとおり、主に人口が密集している都市部で供給されています。

料金の違い

プロパンガスと都市ガスは、もともと料金制度が異なっていました。プロパンガスの販売料金は規制がなく自由料金制です。ガス会社が自由に料金を設定していることから、同じプロパンガスでも会社によって料金が大きく違います。

一方、都市ガスの料金は、2017年4月に市場自由化されました。それまでは「規制料金」で、政府の認可が必要でした。現在は、プロパンガスと同じくガス会社が自由に料金を設定できます。料金が自由化されたものの、参入した都市ガス事業者が限定的なのが実態です。

プロパンガスと都市ガスの料金を比べると、都市ガスの方が安い傾向にあります。理由には、ボンベを配送する人件費などのコストがかからない点が挙げられます。居住地域によるものの、ガス代を節約するなら都市ガスの方がお得な場合もあるようです。

プロパンガスと都市ガスのメリット・デメリットを比較

作業服を着た笑顔の男性と女性の画像

「プロパンガスの料金は高い」というイメージを持っている方は、プロパンガスの契約をデメリットに思うかもしれません。
料金については、ガス会社を変更すると出費を抑えられるケースもあります。ここでは、料金以外にもプロパンガスと都市ガスのメリットとデメリットをお伝えします。どちらが自分のライフスタイルに合ったエネルギーか参考にしてください。

メリット デメリット
プロパンガス・災害時の復旧が早い
・利用可能エリアが広い
・料金が高い傾向にある
・容器設置スペースが必要
都市ガス・料金が安い傾向にある
・安定した供給が可能
・省スペース
・災害時の復旧に時間がかかる
・利用できないエリアがある

プロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガスの料金は高い傾向にあるため、プロパンガスのメリットがわからないという方も多いのではないでしょうか。プロパンガスが都市ガスより高い理由は、設備や価格設定に違いがありますが、料金が高くても、多くのメリットがあるエネルギーでもあります。ここでは、プロパンガスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

プロパンガスには、どのようなすぐれた点があるのでしょうか。

・災害時の復旧が早い

プロパンガスは、ボンベからガス配管で各家庭に供給されているため、破損した部品の交換ができれば早くに復旧が可能です。

また、プロパンガスは通常2本セットで設置されるため、常に予備がキープされている状態です。被災の影響でボンベの配送が遅れたとしても、50kgのボンベ1本には1ヶ月~2ヶ月分のガスが入っているのでライフラインが止まることはありません。

・利用可能エリアが広い

ガスメーターやガス配管さえあれば全国どこでも利用が可能です。人口が少ない山奥や離島など、どこへでもガスを届けることができます。また、屋台などの屋外でも利用でき、可搬性が高いといえるでしょう。

デメリット

次に、プロパンガスにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

・料金が高い

都市ガスと比較すると、ガス料金は割高です。ガス会社によって料金は大きく異なり、物件の種類によっても違います。特に賃貸物件の場合は設備費用などがガス代に上乗せされているケースがあります。

・容器設置スペースが必要

プロパンガスの設置場所には、ガス給湯器や室外機などの火気から離さないといけないなどの基準が存在します。自宅に基準を満たせる場所があるか、ガス会社に相談をして確認しましょう。

こんなご家庭におすすめ

一般的には、ガス料金が安いという理由で都市ガスを選択する方が多いかもしれません。しかし、防災意識が高く常に準備をしておきたいご家庭にとっては、プロパンガスがおすすめです。災害時の復旧も早いので、とても頼りになります。

都市ガスからプロパンガスに変更する場合は、ボンベの設置スペースの確認など、物件の状況を確認してから検討しましょう。

都市ガスのメリット・デメリット

都市ガスの料金は、プロパンガスに比べると安い傾向にあり人口の多い都市部で供給されています。料金が低いというだけではなく、ほかにも都市ガスならではの特徴があります。

ここでは、都市ガスのメリットとデメリットを解説します。

メリット

都市ガスには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

・ ガス料金が安い
プロパンガスは、ボンベを配送するときに運搬コストや人件費がかかります。都市ガスは、ガス管が通っていれば人件費などのランニングコストがかからないため低価格な傾向にあります。

・ 安定した供給が可能
東京ガスでは、4つの基地において液化天然ガスを製造し、安定した供給を実現しています。

・ 省スペース
プロパンガスは、ボンベの設置場所が必要なうえ、搬入搬出のときのルートを確保しなければなりません。一方、都市ガスはボンベの設置が不要で空いたスペースを有効活用できます。

デメリット

次に、都市ガスのデメリットを見ていきましょう。

・ 災害時の復旧に時間がかかる
災害時、地下にある配管・導管が壊れてしまった場合は、復旧作業に時間がかかります。すべてのガス管を検査して、安全を確認してからガスを通すため、点検や工事に時間がかかるでしょう。

・ 利用できないエリアがある
都市ガスは、供給エリアが限られています。主に、地下にガス導管が張り巡らされている都市部で利用でき、人口が少ない地域には普及が進んでいない状況です。

こんなご家庭におすすめ

都市ガスの利用は、ガス料金を抑えたい、外にボンベを置きたくないという方におすすめです。プロパンガスより都市ガスの方が毎月の光熱費の節約を実感できるでしょう。ただし、実際に利用できるかはお住まいのエリアによって変わります。予め供給エリアを調べておきましょう。

プロパンガス・都市ガスの料金の仕組み

ガス代の領収書の画像

「ガス代が高いな」「節約したいな」と思う方は多くても、ガス代の内訳やどのようにガス代が決まるのか、理解している方は少ないのではないでしょうか。ここでは、プロパンガスと都市ガスの料金の仕組みがよくわからない方のために、料金システムや計算方法についてお伝えします。

プロパンガスの料金システム

プロパンガスの料金システムは、「二部料金制」「三部料金制」を採用している会社があります。基本料金とガスの使用量に応じて加算される従量料金があり、三部料金制の場合は、基本料金と従量料金に加え、設備利用等料金があります。プロパンガスの基本料金には、何が含まれているのか詳しく見ていきましょう。

基本料金

プロパンガスの基本料金は、ガスの使用量にかかわらず固定されています。「二部料金制」を採用しているガス会社では、プロパンガスを供給するための設備維持や管理にかかる費用が含まれています。ガスメーターや、高圧ホースのほか、検針費用、点検、事務手数料などの費用が主な内訳です。

「三部料金制」を採用している場合、設備利用料が基本料金に含まれていません。二部料金制の基本料金に含まれている設備利用料が、別枠として扱われています。

計算方法

プロパンガスの料金体系で、多くのガス会社に採用されているのは二部料金制です。毎月一定額の「基本料金」と、使用量に応じてかかる「従量料金」を合計した金額です。基本料金は毎月固定で、従量料金はガスの使用量により単価が変わってきます。

毎月のガス料金=基本料金+従量料金(使用量×従量単価)

たとえば、基本料金が1,500円で、従量料金が0〜10㎥で580円、10㎥を超えて20㎥まで550円とします。1ヶ月のガスの使用量が18㎥だった場合の計算方法は以下のとおりです。

ガス料金=1,500円+(10㎥×580円+8㎥×550円)=11,700円

プロパンガス料金の計算方法については、こちらの記事でも詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてください。

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都市ガスの料金システム

都市ガスの料金も、基本料金+従量料金の「二部料金制」で算出します。都市ガスは、2017年に料金が自由化されるまで「規制料金制」で国の許可を得てガス料金を設定していました。

規制料金制だった背景や、自由化してから新しく参入したガス会社が少ない理由もあり、価格競争は激しくありません。自由化されてからは、電気とセットにするとお得な料金プランを提供しているところもあるものの、プロパンガスほど会社によって料金が大きく異なることは無いでしょう。

プロパンガスしか選べない場合はどうやってガス代を抑える?

都市ガスは主に人口の多い都市部でしか供給されておらず、居住地域によってはプロパンガスしか選べないエリアもあります。「ガス料金を節約したいのに都市ガスを利用できないなんて…」と残念な気持ちになりますよね。

しかし、プロパンガスしか選べなくても日々の生活の工夫次第でガス料金を節約する方法はいくつかあります。

  • 浴槽の追い焚き回数を減らす
  • お風呂のお湯の設定温度を下げる
  • 浴槽にためるお湯の量を減らす
  • 調理するときの火力を鍋の大きさに合わせる
  • 圧力鍋などを活用してコンロの使用時間を減らす

日々コツコツと節約の工夫する以外にガス料金を抑えたい場合は、今よりも安い料金設定のガス会社に切り替える方法が最も効果的でしょう。ガス会社によってはさまざまなプランが用意されており、電気とセットで契約すると割引が適用されるなどのおトクなプランを提供しているガス会社もあります。

プロパンガスしか選べない地域にお住まいの方は、ガスの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。ガス会社の料金やサービス内容などを比較して、自分のライフスタイルにあったガス会社を選ぶのもおすすめです。

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まとめ

この記事では、プロパンガスと都市ガスのそれぞれの特徴や料金の違い、メリット・デメリットについて解説しました。自分の家庭にはどちらのほうが向いているか、違いを比較してライフスタイルに合った方を選んでくださいね。

現在利用しているガスの種類を変更する場合は、工事が必要になるなど注意事項もあります。しっかりと確認して、引っ越しや新築のタイミングにあわせて検討しましょう。

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この記事のライター
DsmartEnergyコラム編集部

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