- 公開日 : 2025年10月10日
- 更新日 : 2025年10月10日
ガス料金値上げの理由と効果的な対策を分かりやすく解説

- ガス料金の仕組みと値上げ・値下げの理由
- ・ガス料金の基本構造
- ・原料費調整制度(都市ガス)
- ・LPガスの価格決定と事業者差
- 最近の値上げ動向と家計への影響
- ・都市ガス大手の料金改定状況(東京ガス・大阪ガス等)
- ・LPガス価格の変動と要因
- ・季節別の家計インパクト
- LPガスと都市ガスの違いと特徴
- ・料金透明性と交渉余地
- ・LPガスと都市ガスの比較表(仕組み/自由度/保安体制)
- 今日からできるガス料金の節約方法
- ・今すぐできる使用方法の改善(給湯温度・シャワー時間)
- ・契約条件の見直し(セット割・割引制度)
- ガス料金についての FAQ
- ・Q: ガス会社から値上げ通知が来ました。どこを確認すればよいですか?
- ・Q: 賃貸住宅でもガス会社を変更できますか?
- ・Q: ガス会社を変更する際の費用はかかりますか?
- オンライン完結の乗り換えという選択肢(Dsmart)
- 【まとめ】ガス料金値上げに負けない家計管理を
「また今月もガス代が高くなっている…」
そんな声が、ここ1〜2年でガス料金に関する相談として急増しています。家計を担うご家庭にとって、ガス料金の値上げは深刻な問題です。
値上げの主因は原料価格の上昇であり、原料費調整制度はその変動を毎月料金に反映する仕組みです。まずは「料金の仕組み」を理解すれば、なぜ値上がりするのか、そしてどう対策すればよいのかが見えてきます。本記事では、「知る→理由を理解→対策する」まで網羅的に解説していきます。
※最終更新日:2025年9月28日
情報の正確性には細心の注意を払っておりますが、最新の料金や制度については各ガス会社の公式情報をご確認ください。
ガス料金の仕組みと値上げ・値下げの理由
ガス料金の基本構造
都市ガスは『基本料金+従量料金(=基準単位料金±原料費調整)』
LPガスは『基本料金+従量料金+設備費(=三部料金制)』が基本です。
- 基本料金:ガスを使わなくても発生する固定費(設備維持費、検針費など)
- 従量料金:使用したガス量に応じて発生する変動費(単価×使用量)
- 原料費調整額:原料価格の変動を反映する調整費(プラス・マイナス両方あり)
一例ですが、月30m³使用する一般家庭の場合、基本料金が約1,000円、従量料金が約3,000円、原料費調整額が約500円といった内訳というようなイメージです。
原料費調整制度(都市ガス)
都市ガス料金は、原料価格の変動が主因で、原料費調整制度により毎月反映されます。
この制度に基づき、都市ガス各社は毎月原料価格の変動を料金に反映しています。
原料費調整制度の仕組み
| 項目 | 内容 |
| 調整対象 | LNGおよびLPGの貿易統計価格(3か月平均) |
| 反映時期 | 直近3か月の平均原料価格を、その最終月から3か月後の検針分に反映 |
| 調整方法 | 基準価格より高い→値上げ、安い→値下げ |
| 上限設定 | 調整上限を設ける一部の事業者がある |
2025年4月検針分では、東京ガスの東京地区等で1m³につき7.77円の上方調整が実施されました。これは2024年11月〜2025年1月の平均原料価格上昇を反映したものです。
出典:東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年4月検針分のガス料金について」
LPガスの価格決定と事業者差
LPガスは自由料金制で、料金の表示・内訳の透明化(三部料金制)が義務化されています。これにより、同一地域でも事業者により料金差が生じます。

LPガスの価格決定要因
LPガスの価格は、CP価格(サウジアラビアでの船積み価格)の変動、為替レート(円安・円高)の影響、配送コスト(ボンベ配送の人件費・車両費)、そして事業者の利益率設定によって決まります。
業界団体の調査によると、LPガス料金には事業者間で大きな価格差があることが指摘されており、消費者にとって事業者選択の重要性が高まっています。
最近の値上げ動向と家計への影響
都市ガス大手の料金改定状況(東京ガス・大阪ガス等)
2025年に入ってからも、都市ガス各社では原料費調整制度に基づき継続的な料金改定が実施されています。特に4月・5月検針分は、東京ガス・東邦ガス・大阪ガスの各社で値上げが確認されています。
主要都市ガス会社の2025年料金改定状況(標準家庭ベース)
東京ガス
- 4月検針分:+7.77円/m³(東京地区等)
- 5月検針分:+4.64円/m³(東京地区等)
- 平均家庭への影響:5月は30m³使用で前月比+139円
東邦ガス
- 4月検針分:+2.76円/m³
- 5月検針分:単一値は非公表(階層制料金のため)
- 平均家庭への影響:4月は29m³使用で+225円、5月は+134円
大阪ガス
- 4月検針分:標準家庭(30m³使用)6,438円
- 5月検針分:標準家庭(30m³使用)6,579円
- 平均家庭への影響:5月は前月比+141円
なお、東邦ガスでは標準家庭(29m³/月)の場合、4月検針分は前月比+225円、5月検針分は+134円の値上がりとなっています。
また、大阪ガスの標準家庭(30m³/月)の料金は4月6,438円、5月6,579円で、5月は前月比+141円でした。
さらに政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、2025年4月検針分には5円/m³の値引きが適用され、実質的な負担増は一部緩和されています。
出典:
東京ガス 2025年4月検針分プレスリリース
東京ガス 2025年5月検針分プレスリリース
東邦ガス 2025年4月検針分プレスリリース
東邦ガス 2025年5月検針分プレスリリース
大阪ガス 2025年4月検針分プレスリリース
大阪ガス 2025年5月検針分プレスリリース
電気・ガス料金負担軽減支援事業(特設サイト)
LPガス価格の変動と要因

LPガス値上げの主な要因
LPガスの値上げには複数の要因が重なっています。
まず物価上昇として、新型コロナからの回復に伴う需要増による供給制約があります。次に円安加速の影響で、アメリカとの金利差拡大による円安により輸入コストが上昇しています。さらに、ロシアのウクライナ侵攻による液化天然ガス(LNG)供給不足が発生し、LNGの代替品としてプロパンガスの需要が高まったことも値上げの一因となっています。
季節別の家計インパクト
ガス使用量は季節によって大きく変動し、特に冬季は給湯や暖房でガス使用量が増加する傾向があります。
季節別ガス使用量の傾向
ガス使用量は季節によって大きく変動します。
夏季(6〜8月)は月20〜25m³程度とシャワー中心の使用となり、冬季(12〜2月)は月35〜45m³程度と入浴・暖房の増加により大幅に増えます。春秋(その他の期間)は月25〜35m³程度が標準的な使用量となります。
冬季は夏季の約1.5〜2倍のガス使用量になることが多く、単価上昇と使用量増加の二重の負担が家計に影響します。
LPガスと都市ガスの違いと特徴
料金透明性と交渉余地
LPガスと都市ガスでは、料金の決定プロセスと消費者の交渉余地が大きく異なります。
料金決定プロセスの比較
| 項目 | 都市ガス | LPガス |
| 料金規制 | 原則自由料金(競争不十分地域は規制料金メニューあり) | 自由料金制 |
| 価格改定 | 原料費調整制度に基づく | 事業者の裁量 |
| 透明性 | 高い(算定根拠公開) | 2025年4月以降は三部料金制の義務化により改善 |
| 交渉余地 | 限定的 | 大きい |
| 事業者変更 | 可能(2017年自由化) | 可能(従来から) |
LPガスと都市ガスの比較表(仕組み/自由度/保安体制)
総合比較表
| 比較項目 | 都市ガス | LPガス |
| 料金水準 | 比較的安価 | 都市ガスの1.5〜2倍 (地域・契約により大きく異なります。最新の公的統計をご確認ください) |
| 供給方式 | 地下導管 | ボンベ配送 |
| 供給エリア | 都市部中心 | 全国対応可能 |
| 初期工事 | 導管工事必要 | ボンベ設置のみ |
| 災害復旧 | 時間を要する場合あり | 比較的迅速 |
| 料金自由度 | 中程度 | 高い |
| 保安体制 | ガス会社による | 販売事業者による |
| 事業者変更 | 簡単(工事不要) | やや複雑(設備貸与や保安契約による) |
2025年のLPガス制度改正
2025年4月2日から、三部料金制の徹底により、プロパンガス検針票における料金の内訳を基本料金・従量料金・設備料金の3段階に区別して記載することが義務化されました。これにより料金の透明性が向上し、消費者にとって比較検討しやすくなります。
今日からできるガス料金の節約方法

今すぐできる使用方法の改善(給湯温度・シャワー時間)
家庭のエネルギー消費において給湯が大きな割合を占めるため、節約効果が大きいです。
給湯温度の適正化
給湯温度を下げると年間で数千円程度の節約が期待できます。夏季は37〜38℃と体温に近い温度で十分で、冬季も40〜41℃と必要以上に高温にしないことが節約につながります。キッチンでの食器洗いには35〜37℃で十分な洗浄力が得られます。
シャワー時間の短縮
シャワー時間の短縮を行うと、年間で数千円規模の節約が期待できます。
シャワーを1分間使用すると約12Lものお湯が流れ続け、浴槽がいっぱいになるくらいの湯量まで約16分かかります。
▼具体的な実践テクニック
- シャワー時間を1日1分短縮
- 節水タイプのシャワーヘッドに交換
- 洗髪中はこまめに止水
- 調理方法の工夫
調理方法を工夫すると年間で数千円程度の節約が見込めます。
下茹でや温め直しには電子レンジを活用し、ゆで卵や煮込み料理では火を止めて余熱で仕上げる余熱調理を取り入れましょう。また、鍋に蓋をして熱効率を向上させ、火力は鍋底からはみ出さない程度に適切に調整することが大切です。
契約条件の見直し(セット割・割引制度)
電気とのセット契約検討
多くのガス会社で電気とのセット割を提供しており、一部事業者でセット割があり、条件次第で割引となります。詳細は各社公式をご確認ください。セット契約のメリットとして、ガス料金の割引(月数百円程度)に加えて、請求書の一本化による管理の簡素化、ポイント還元の充実、各種手続きの簡素化などが挙げられます。
料金プランの見直し
家庭の使用パターンに合った料金プランへの変更で節約効果が期待できます。
月間使用量に応じた最適プランの選択や、床暖房・ガス乾燥機利用者向け専用プランの検討、長期契約割引の活用などを検討しましょう。
ガス料金についての FAQ
Q: ガス会社から値上げ通知が来ました。どこを確認すればよいですか?
A: 以下の項目を必ず確認してください。
値上げの根拠として、原料費調整による値上げなのか基本料金・従量料金の改定なのかを確認し、適用時期がいつから新料金になるのかを把握しましょう。また、値上げ幅として1m³あたりいくら上がるのか、月額でいくら増加するのかを計算し、原料費調整の場合は対象期間の原料価格データも確認することが重要です。
都市ガスの場合は原料費調整制度による自動調整が多く、LPガスの場合は事業者の裁量による改定の可能性があります。
Q: 賃貸住宅でもガス会社を変更できますか?
A: 住宅の種類と契約形態によって異なります。
都市ガスの場合
- 戸建て賃貸:借主が変更可能です(大家の承諾不要)
- 集合住宅:建物全体での一括契約の場合は個別変更不可です
LPガスの場合
- 戸建て賃貸:大家の承諾が必要です(設備所有者が大家の場合)
- 集合住宅:建物全体での契約変更が必要です
まずは賃貸契約書でガス設備の所有者を確認し、管理会社に相談することをおすすめします。
Q: ガス会社を変更する際の費用はかかりますか?
A: ガスの種類と契約内容によって異なります。
都市ガスの場合
- 基本的に変更費用は無料です
- 工事も不要です(メーター交換のみ、無料)
- 違約金は原則ありません
LPガスの場合
- 契約期間中の解約で違約金が発生する場合があります
- 設備撤去費用(1〜3万円程度)が請求される場合があります
- 新しい事業者が費用を負担するケースもあります
LPガスの変更を検討する際は、現在の契約条件と新しい事業者の条件を十分に比較検討してください。
オンライン完結の乗り換えという選択肢(Dsmart)
従来のLPガス事業では訪問営業や複雑な手続きが一般的でしたが、Dsmartでは全く新しいアプローチでLPガスサービスを提供しています。
Dsmartの特徴
Dsmartは直販型モデルにより中間業者を省いた効率的な料金設定を実現し、Web上で料金シミュレーションから申込みまで完結します。設置工事費や保証金などの初期費用は不要で、契約期間の縛りや解約金もありません。明確な料金表示により透明な料金体系を提供しています。
ガス料金でお悩みの方は、まず現在のガス料金が適正かどうか無料シミュレーションで確認してみることをおすすめします。Dsmartなら、オンライン完結・初期費用ゼロ・違約金ゼロで、従来の複雑な手続きなしに透明性の高い料金体系でLPガスをご利用いただけます。
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【まとめ】ガス料金値上げに負けない家計管理を
ガス料金の値上げは、原料価格の高騰、為替変動、政府補助金の縮小、そして事業者による価格設定の差など、複数の要因が組み合わさって発生しています。
対策の基本は「仕組み理解→節約→契約見直し」の3ステップです。
仕組み理解:原料費調整制度やLPガスの価格決定を理解
節約実践:給湯温度調整、シャワー時間短縮、調理方法改善
契約見直し:セット割活用、事業者変更の検討
特にLPガス利用者の方は、事業者による価格差が大きいため、見直しによる削減効果も期待できます。オンライン完結で初期費用ゼロ・違約金ゼロのDsmartなら、従来の複雑な手続きなしに、透明性の高い料金体系でLPガスを利用できます。
まずは現在のガス料金が適正かどうか、無料の料金シミュレーションで確認してみることをお勧めします。
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